
電車の中や人混みの中で強い香料のにおいをかいで、思わず頭が痛くなったり、気分が悪くなったりした経験はありませんか?
人と接する機会の多い場所から帰ってきた時や、お子さんの服やランドセルから、柔軟剤のにおいが強く残っていて驚いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
実は、こうした「におい」による不調を感じているのは、あなただけではありません。これは単なる「においの好き嫌い」という問題ではなく、化学物質によって引き起こされる健康被害で「香害」とも呼ばれています。
今回は、この「香害」がなぜ起こるのか、そして私たちが今日から何ができるのかを一緒に考えてみましょう。
「香害」によって引き起こされる化学物質過敏症
「香害」という言葉は日本消費者連盟や市民団体が広めた「公害」になぞらえた造語で、近年の社会問題として認知されるようになりました。
香りの特徴や持続性をアピールする製品が増えたことで、 私たちの生活環境において合成香料の使用が急激に拡大してきました。その背景には、香料などの化学成分を「マイクロカプセル」という目に見えない極小のプラスチック容器に閉じ込める技術の普及があります。この微小なカプセルが空気中を漂い、呼吸とともに体内に取り込まれることで、意図せず周囲の人に深刻な影響を与えてしまうのです。
「化学物質過敏症」は、このように日常生活の中で化学物質に大量にさらされたり、長期にわたり繰り返し接触したことで、微量の化学物質にも反応して様々な体調不良が起こる症候群です。
一度発症すると日常生活に大きな影響を及ぼすため、深刻な健康被害として問題となっています。
約8割の人が経験?「香害」の深刻な実態
普段何気なく嗅いでいる日用品の香り。自分では「良い香り」だと思っていても、実は多くの方がその「におい」による体調不良に悩まされています。
「香害をなくす連絡会」が実施したアンケート結果によると、なんと79.0%もの人が「香りつき製品(柔軟剤や香りつき製品、消臭剤など)のにおいで具合が悪くなったことがある」と回答しているという、事実が明らかになっています。
大人の場合、通勤時の電車やバスなど、逃げ場のない密閉された交通機関の中で強いにおいに囲まれ、苦しい思いをしているケースも少なくありません。決して一部の人だけの問題ではなく、私たちの身近で多くの人が知らず知らずのうちに被害を受けているのが現状です。
なぜ「良い香り」で具合が悪くなるの?香害のメカニズム

「せっかくの良い香りなのに、なぜ具合が悪くなるの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。そこには、合成香料などの化学物質が私たちの脳や体に及ぼす、目に見えないメカニズムが関係しています。
「良い香り」の正体は、人工的な化学物質の集合体
そもそも、現代の柔軟剤や芳香剤などに使われている香りの多くは、花や植物から抽出された天然の香りではありません。そのほとんどが、石油を原料として人工的に合成された約3000種類以上の化学物質(揮発性有機化合物=VOCなど)をブレンドして作られています。
成分の中には、塗料や接着剤などに含まれる化学物質に似たものが使われているケースもあります。つまり、私たちが「良い香り」として認識しているものの正体は、空気中に揮発した「人工的な化学物質」を複雑に組み合わせて作られたものなのです。
香りの成分は、すぐに「脳」へ到達する
私たちが鼻から吸い込んだ香りの成分は、ダイレクトに脳(大脳辺縁系)へと伝達されます。 本人が「よい香り」だと思って使っている製品であっても、それに含まれる化学物質に神経系が過剰に反応してしまうことがあります。これが自律神経を乱し、頭痛、めまい、思考力の低下など、全身に多様な不調を引き起こす原因となっています。
長持ちする香りの正体「マイクロカプセル」
最近の柔軟剤などで「香りが長持ちする」とうたわれている製品には、先述した微小なプラスチックの容器である「マイクロカプセル」が使われています。 この小さなカプセルの中に香料などの化学成分が閉じ込められており、衣類がこすれてカプセルが弾けるたびに、有害な化学物質が空気中に放出され続ける仕組みになっています。
無香料でも被害に?見えないリスク 「移香(いこう)」
さらに厄介なのが、このマイクロカプセルは非常に小さく、衣類や電車の座席に入り込んで、長時間成分が残ります。 そのため、自分自身は無香料の製品を使って気をつけていても、外出先でにおい成分が移ってしまう「移香(いこう)」の被害が増加しています。外出するだけで、 意図せず化学物質を家の中に持ち込んでしまう可能性があるのです。
大人よりも深刻?子どもたちへの影響

香害の問題で私たちが最も心を痛めているのが、これからの未来を担う子どもたちへの影響です。小さな体は、大人以上に化学物質のダメージを受けやすく、毎日の学校生活にも支障が出始めています。
発達途上の子どもは化学物質のダメージを受けやすい
子どもは大人のように神経系や解毒機能がまだ十分に発達していません。さらに、体重あたりの呼吸(換気)量が相対的に多いため、空気中の化学物質による全身へのダメージを大人よりも強く受けてしまいます。
学校で広がる香害と「給食着」問題
柔軟剤が各家庭で日常的に使われることで、子どもたちが長い時間を過ごす学校の空気も化学物質で汚染されています。 中でも深刻なのが、クラスで使い回す「給食着」などを通じた移香です。
前の週に使った家庭の柔軟剤のにおいが強く残り、それを受け取った子どもが体調不良を起こしてしまうケースが全国で広がっていました。現在は、移香の問題が多発したためエプロンの共用を廃止している自治体が増えてきています。
さらに給食着だけでなく、登校中や、授業中に同じ教室にいるだけでもにおいが充満し、毎日つらい思いをしながら学校生活を送っている子どもたちがいるという事実も、決して見過ごすことはできません。
香害から家族を守る具体的な一歩。「シャボン玉石けん」のすすめ

原因や実態を知って不安になった方もいるかと思います。毎日のお洗濯や暮らしのアイテムを少し見直すだけで、ご家庭から香害を防ぎ、大切な家族を守ることができます。
ここでは、おすすめの商品をご紹介します。
有害な化学物質ゼロ。純石けんの安全性
おすすめしたいのが、らる畑でもお取り扱いしている「シャボン玉石けん」です。シャボン玉石けんは、香害の主な原因となる合成香料やマイクロカプセルなどの有害な化学物質を一切使用していません。
昔ながらのシンプルな製法で作られた無添加の純石けんは、アレルギーや肌トラブルのリスクが低く抑えられています。さらに、生分解性が高く自然に還りやすいため、マイクロプラスチックとして環境を汚しにくく、人にも地球にも優しい商品となっています。
柔軟剤を使わなくても、石けんならではのふんわりとした優しい仕上がりを実感していただけるはずです。肌の弱いお子様の衣類にも安心してお使いいただけます。
まとめ
毎日、良かれと思って使っている柔軟剤や洗剤の香りが、知らず知らずのうちに自分や誰かの不調の原因になっているかもしれない「香害」。
化学物質過敏症に苦しむ当事者の方や市民団体の地道な働きかけで認知されるようになってきましたが、日本では製造メーカー側への規制が遅れているため私たち消費者自身が正しい知識を持ち、自ら身を守る選択をすることが求められています。
まずは、身の回りにある香り付きの製品を見直してみましょう。 人工的な強い香りや化学物質を避けることで、自分と家族の健康を守るだけでなく、知らず知らずのうちに周囲へにおいを広げてしまうことを防ぎ、環境を守ることにも繋がります。
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