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暮らしのこと

フェアトレード生産国の一覧。各国の特徴や歴史を知れば理解がもっと深まります。

2023/12/05

チョコレートやコーヒーなどを中心に、フェアトレードの商品は世界中に広まっています。

生産者にとって適正な価格で取引されているフェアトレード製品を選ぶことは、国際協力や国際交流に貢献するという側面を持ちます。

今回は、そんなフェアトレードに取り組んでいる国について、消費者がいる経済国と、原材料の生産国に分けて調べた内容を記事にしました。

最後にはらる畑が使っているフェアトレードの商品もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

フェアトレードに取り組む経済国

フェアトレードに積極的に取り組み、国内でも広く普及している経済国の例をご紹介します。

イギリス

イギリスでは、フェアトレードの普及において教会の存在が大きいと言われています。

人が多く集まる教会で国際フェアトレード認証の製品が販売されることは、フェアトレードの認知度が広がっていく要因のひとつだったと考えられます。

このためイギリスでは、小さな頃からフェアトレードを知っていたという人も少なくありません。

また、町ぐるみでフェアトレードの普及に取り組む「フェアトレードタウン」は、2000年に初めてイギリスで誕生しました。このフェアトレードタウンは今では日本を含め多くの国に広がり、多くの都市が認定を受けています。

アメリカ

アメリカには、「世界フェアトレード機構」という国際組織が本部を置いている国です。

この世界フェアトレード機構は、国際認証を策定している「フェアトレード・インターナショナル」とは異なり、原材料や商品それぞれに認証を行うのではなく、会社や団体の事業全体がフェアトレード基準の対象になる、より厳しいものです。

また、アメリカ国内のフェアトレードの普及拡大の効果も大きく、2023年の消費者市場調査では、フェアトレード認証ラベルの認知度は61%であり、2021年では41%だったことを考えると、大きく広まっていることが分かります。

そして、フェアトレード認証ラベルを知っている消費者の5人に4人が、生産者に適正な価格が支払われるようにするためであれば、製品を購入するのに高い価格を支払うことは構わないと考えているという調査結果もあります。

ドイツ

ドイツは、フェアトレードの国際基準を定めている「フェアトレード・インターナショナル」の本部が置かれている国です。

ドイツは、街ぐるみでフェアトレードの普及に取り組む「フェアトレードタウン」の数が世界で一番多いです。

2022年時点で、世界にあるフェアトレードタウンが2,208都市ある中で、ドイツは805都市ものフェアトレードタウンがあります。

そんなドイツでは、フェアトレード専門店が国内に普及していたり、ほとんどのスーパーマーケットやドラッグストアでは、フェアトレード商品が目立つように陳列されています。

主要品目別に見るフェアトレード生産国

フェアトレード製品の生産国について、フェアトレードで主に扱われる品目別にご紹介します。

コーヒー

コーヒー豆は、フェアトレード製品の中でも生産量や市場価格において割合の大きい品目です。

フェアトレードコーヒーの生産国は、地域ごとに分けて以下のような国があります。

中南米:メキシココスタリカグァテマラ

東南アジア:ベトナムインドネシア東ティモール

アフリカ:エチオピアルワンダタンザニア

コーヒー生産国のほとんどは、このような新興国ですが、コーヒー豆の買取価格を決めるのは、ニューヨークやロンドンなどの国際市場であることをご存じでしょうか。

国際市場は高騰や下落などの価格変動が激しく、小規模農家たちのほとんどは中間業者を頼るほかない状況にあるのです。

そのため、低価格での取引を強いられ、生活に必要な利益を得ることや子どもに教育を与えることができません。

フェアトレードコーヒーは、生産者が適正な収入を得ることができるようになるだけでなく、市場に対して直接交渉する力を身につけて組織を発展させていったり、生まれた利益によって地域社会を発展させていくことができるようになります。

カカオ

フェアトレードカカオ豆の原産国として、ドミニカ共和国や、コートジボワールインドネシアガーナベネズエラなどが挙げられます。

これらの新興国が抱える問題のひとつに、児童労働があります。

現在、1億5千万人以上の子どもが労働を強いられている環境にあり、カカオ豆の農園はこうした児童労働の温床になっているのです。児童労働の要因として最も大きいのが経済的な貧困です。

国際フェアトレード基準では児童労働を禁止して、安全な労働環境を確保しています。

価格変動の大きいカカオに対して、生産と生活を持続、可能にするフェアトレード価格に設定することで、子どもを労働に出さなくても済む収入を得られるようになります。

またフェアトレードでは「プレミアム」という奨励金を得ることができるので、生産者の地域では、教育だけでなく医療などの社会基盤を充実させることも可能になるのです。

コットン

世界のコットン生産には、70カ国以上、1億世帯が従事していると言われています。

特に西アフリカ地域のカメルーンマリ、アジア地域のインドパキスタンなどの新興国では、コットンの貿易において経済国に有利にはたらく不平等な構造があります。

こういった新興国のコットン生産者の多くは、生産コストをまかなうことさえ難しい低価格で取引しなければならない厳しい状況を強いられているのです。

それに加え、コットンの栽培は、他の農作物と比べて農薬の使用量が格段に多いという特徴があります。

国際的に使用が禁止されている農薬も新興国で使用されているケースがあり、生産者の農薬による健康被害が深刻化しています。

こうした背景から、国際フェアトレード基準ではコットン価格を上乗せして、上記のような生産国のコットン農場のオーガニック農法への転換が奨励されています。

実際にマリ共和国では、オーガニック農法へ転換する村が増えています。その影響で農薬による健康被害がなくなり、人々の健康が改善されたといいます。

スポーツボール

世界のサッカーボールの70%以上がパキスタンで生産されています。

その多くが一つ一つを手縫いして作られていて、このサッカーボールの生産は実は児童労働の温床になっていることが1990年代に明らかになり、世界的な問題になりました。

このような労働環境を改善して、児童労働をなくすための働きかけのひとつとして、フェアトレードのサッカーボールの取り組みが生まれたのです。

フェアトレードサッカーボールは、適正な賃金や安全な労働環境の保証だけでなく、ボールの買取価格とは別のプレミアムとして輸入業者から労働者の委員会に支払われ、子どものための教育や福祉に役立てられています。

バラやカーネーションなどの花もフェアトレードの認証の対象となる製品です。

主な生産国として、東アフリカ地域のケニアタンザニア、ラテンアメリカ地域のコロンビアエクアドルがあります。

世界で栽培される切花のほとんどが、大規模なプランテーションで生産されていて、そこで使用される農薬によって環境にを汚染したり、農薬を散布する労働者に防護服が提供されないことで健康被害が発生していた問題があります。

そういった背景から、2004年に切花にも国際フェアトレード基準が設定されました。

2006年から、日本でも一部の花屋などでフェアトレード認証のバラやカーネーションが取り扱われるようになりました。

日本でも2006年から一部のスーパーマーケットや花屋でフェアトレード認証のバラやカーネーションが販売されるようになりました。

フェアトレードの茶の生産国の代表例として、ケニアインドスリランカがあります。

これらの国にある茶の農場はイギリスの植民地時代に造られたもので、現在でも世界の茶の多くはこれらの国にあるような大規模なプランテーションで生産されています。

茶園で働く労働者へ適正な賃金が支払われないところや、労働環境の劣悪さは、深刻な問題として挙げられます。

このような背景から茶のフェアトレードが進められ、労働者は適正な賃金を受け取り、安全な労働環境が整備されるようになっています。

フェアトレード紅茶を生産する代表的な茶園として、インドでは「シンガンパティ農園」や、スリランカの「イダルガシナ茶園」があります。

イダルガシナ茶園では、標高1800mの高地で、世界3大紅茶のひとつと呼ばれるウバ茶を生産しています。

らる畑もフェアトレード商品をご用意しています

では最後に、らる畑で扱っているフェアトレード商品をご紹介します!

「ピープルツリー」のフェアトレードチョコレート

「ピープルツリー」のフェアトレードチョコレート

ピープルツリーでは、「世界フェアトレード機関(WFTO)」の認証を得たチョコレートを製造販売しているブランドです。

WFTOとは、新興国の立場の弱い人々んお自立と生活環境の改善を目指す世界中のフェアトレード組織が、1989年に結成したネットワークです。

パッケージのかわいさや、味のバリエーションがたくさんある点も魅力的ですね!

ピープルツリー公式HP

「チョコレートソール」のダークチョコレート

「チョコレートソール」のダークチョコレート

チョコレートソールは、スペインのバルセロナにある老舗のチョコレートメーカーです。

フェアトレードで仕入れたドミニカ産のカカオ豆を使用しています。

農薬や化学肥料に頼らなくてもしっかり育つ生育環境があるので、自然とオーガニック栽培が実現していて、EUのオーガニック認証も得ています。

カカオの比率が高いダークチョコレートなので、ビターな味が好きな方におすすめです!

チョコレートソール公式HP

「パレスチナ・オリーブ」のオリーブオイル

「パレスチナ・オリーブ」のオリーブオイル

パレスチナ・オリーブとは、パレスチナ地区で生産されたオリーブオイルやオリーブ石鹸、刺繍製品などを輸入している会社です。

パレスチナ・オリーブは、パレスチナ地区の女性の雇用の安定にも力を入れていて、実際に150人の女性たちが生産に携わっています。

オリーブは農薬や化学肥料を使わずに育てられていて、世界のあらゆるオリーブオイルの国際コンペで入賞した実績を持つなど、味や風味の面でも高く評価されています。

パレスチナオリーブ公式HP

東ティモール・マウベシ珈琲

東ティモール・マウベシ珈琲

東ティモールのアイナロ県マウベシ郡という自然豊かな標高約1500mの山間地域で育てられた、甘みのあるコーヒーです。

このコーヒーを輸入・販売するのは「ほっかいどうピース・トレード」という団体です。ほっかいどうピース・トレードは、北海道米の販売も行なっていて、北海道米とマウベシ珈琲によって得た利益を、東ティモールに還元しています。

小規模ながらも海外の地域との支え合いを実現している、魅力的なコーヒーです。

ほっかいどうピース・トレード

エヌ・ハーベストの有機スパイス

エヌ・ハーベストの有機スパイス

エヌ・ハーベストは、環境に配慮して作られた食品などの商品を普及させ、エコロジーに対する新たな視点の提案を目的として設立された会社です。

エヌ・ハーベストが製造するスパイスはフェアトレードで取引されていて、ただ適正な価格で原材料を買うだけでなく、現地の昔ながらの製法、ライフスタイルを尊重することを重視している特徴があります。

そして、このスパイスはオーガニック農法で生産されていて、有機JAS認証を取得しています。

エヌ・ハーベスト公式HP

ナイアードのヘナ白髪染め

ナイアードのヘナ白髪染め

ナイアードは、素材が生まれる場所の文化と人々を大切にして、使う人、作る人、環境に負荷をかけない商品開発を行っているメーカーです。

この白髪染めは、ヘナという植物の成分を使用しています。ヘナは、古くから髪や爪を染めるために使われたと言われています。

ナイアードは、ヘナの生産において、インドと日本の自社スタッフが連携して製造に取り組んでいて、生産者の労働環境や適正な収入に貢献しています。

ナイアード公式HP

まとめ

今回は、フェアトレード製品の市場拡大に取り組んでいる経済国や、フェアトレードの原料を生産している新興国の一例をご紹介しました。

フェアトレードの食品を通して生産者のファンになると、より食べることの喜びや楽しさを感じていただけます。

らる畑では、フェアトレード食品だけでなく、生産者のファンになれるような有機野菜やオーガニック食品をたくさん取り扱っています。

ぜひ一度店内をご覧になって、色とりどりな食品を楽しんでください!

<参考>