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生産者のこと

フェアトレードとは?貧困を解決するための国際支援や国際交流の役割

2023/11/01

こんにちは!札幌円山のオーガニックショップ「らる畑」のブログを担当しております松原です。

「フェアトレード」という言葉は、きっとみなさん一度は耳や目にした経験があるかと思います。

今回は、フェアトレードの、そしてフェアトレードの製品を買うことで世界にどのような変化を与えることができるのかについて、調べた内容をご紹介します。

記事の最後には、らる畑で扱っているフェアトレード食品もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!

フェアトレードの定義

フェアトレード(fair trade)をシンプルに和訳すると、「公平な貿易」という意味になります。

この表現をわざわざ使うということは、この地球では輸入組織と輸出組織の間で「公平でない貿易」が行われているという事実があります。

これは日本も例外ではありません。

私たちの身近にある食べ物や日用品には、海外から輸入される品がたくさんあります。

コーヒー、チョコレート、コットン製の衣類などの製品は、実は驚くほど安い価格で手に入っていることをご存じでしょうか。

この安い価格の背景には、生産者に正当な対価が支払われていなかったり、悪い労働環境で働かされている事実があります。

また、生産者だけでなく、農産地の開発のために環境が破壊されているなど、あらゆる側面で「不公平」な取引の内容になってしまっているのです。

このような「不公平な貿易」が行われるようになった歴史は、16世紀〜17世紀の、欧州諸国による植民地時代から始まります。

世界史や地理の授業で学んだ人も多いのではないでしょうか。

欧州諸国がアフリカや南アメリカの地域を植民地化し、プランテーションと呼ばれる大規模な農園を開発し、先住民に作物を育てさせ、不当に安い価格で買い取っていたのです。

第二次世界大戦後、それらの植民地は独立して国家となりましたが、植民地時代にあった不当な取引の名残のようなものが、その後も続いていました。

そんな中、1940年代後半にアメリカのNGO団体でボランティアをしていた女性がプエルトリコの酒工芸品をチャリティバザーで販売したことが、フェアトレードのきっかけになったと言われています。

その後の1960年代ごろから、先進国では途上国の貧困に関心が持たれるようになり、今までの貿易や市場に「代わる」という意味で、「オルタナティブトレード」という言葉が使われるようになりました。

その後、製品を作るための技術や製法が十分に伝わっていなかったため、品質が安定せず、1980年代に入って市場が伸び悩んでしまう時代もありました。

呼び名は「オルタナティブトレード」から「フェアトレード」に変わり、支援団体や技術者が共に品質の向上や一般的な消費者にも手に取ってもらえる市場づくりなどを行いました。

それが、今のフェアトレードの形になっているのです。

フェアトレードの目的

フェアトレードの目的は、いま説明したような発展途上国と先進国の間の貿易における「不公平・不公正」な内容をなくし、生産者の生活の質を向上させることにあります。

不公平・不公正な貿易によって、途上国の生産者たちは驚くほど安い収入で暮らすことを余儀なくされています。

また、一定以上の生産量を確保するために学校に通う子どもたちも労働しなければならない現状があるのです。

フェアトレードは、そのような生産者の暮らしを本来得られるべき水準まで上げるための役割を持ちます。

また、途上国での農地開発には環境破壊が行われている背景もあります。

フェアトレードの認証には環境に関する基準もあるので、地球の環境を保護する目的も同時に持ち合わせています。

フェアトレード・プレミアム

フェアトレードプレミアムとは、フェアトレードで定められる取引の最低価格に加えて、輸入組織が追加で支払う資金のことを言います。

このプレミアムは、原料や製品を輸出する組織や地域の経済的・社会的・環境的開発のために使われる資金です。

プレミアムの用途は生産者によって決められ、機器や設備の改良や、水などのインフラ、学校、保健医療など幅広く使用されています。

フェアトレードの市場が年々拡大していることにより、フェアトレード・プレミアムの生産者受取額も増加している傾向にあるようです。

2019年は、世界180万以上の生産者や労働者に対して、合計約2億380万ユーロ(約251億円)がわたりました。1生産者・労働者あたりの金額は、約11万ユーロ(約1,155万円)になります。

参考『フェアトレード・プレミアムとは』(fairtrade Japan公式サイト)

フェアトレードの代表的な製品

フェアトレードで取引される代表的な製品には、主に以下のようなものが該当します。

  • コーヒー
  • 果物(りんご、バナナ、ココナッツ、オレンジなど)
  • チョコレート
  • スパイス
  • お茶
  • 蜂蜜
  • ナッツ類
  • オリーブオイル
  • フルーツジュース
  • ドライフルーツ

食品以外にも、コットン、バラの花、サッカーボールなどもフェアトレードで取引されていることがあります。

フェアトレード製品の購入がもたらす貢献

わたしたちがフェアトレード製品を選んで買うことで、世界にいろんな貢献をすることができます。

発展途上国の経済発展

不公平な貿易では、生産者が正当な対価を得られないことで、その国自体の経済効果も低くなってしまい、経済発展の妨げになってしまいます。

フェアトレードの製品がより広く世界に普及して多くの人が購入することは、生産地である発展途上国の経済発展の助けになります。

生産者・労働者の生活の質の向上

発展途上国の農業では、一定の生産を確保するために子供が労働しなければいけない現実があります。

フェアトレードを広げ、生産者に正当な収入が得られるようになることで、子供は労働する必要がなく教育を受けられるようになります。

環境破壊の抑止

発展途上国では、先進国の企業により、大規模な農地の開発のために環境破壊が繰り返されてきた過去があり、それは一部の地域では今でも続いています。

後述しますが、国際フェアトレード認証の基準には「環境に負荷をかけていないか」というポイントがあります。

そのため、フェアトレード認証の製品を購入することで、環境に配慮する生産者を支援し、地球の環境破壊をストップさせる手助けにもなるのですね。

国際フェアトレード基準

国際フェアトレードの基準を満たすには、生産者と、輸入組織などのトレーダーのそれぞれに、以下のような基準が定められています。

生産者の基準

  • 社会:安全な労働環境の確保、人種差別・児童労働・強制労働の禁止など
  • 経済:フェアトレード・プレミアムの民主的な運用、
  • 環境:農薬や薬品の使用規制、生産者・労働者の健康・安全対策の強化など

トレーダー(輸入組織や卸組織)の基準

  • 認証:売買に関わる組織は全て監査を受けて認証を得ていること
  • トレーサビリティの確保:通常品と混ぜることなく区別して管理していること
  • 契約:生産者と取引業者は国際フェアトレード基準に則り双方が合意して透明性のある契約を結ぶこと
  • 持続的な取引の促進:生産者が安定した生活を営み、品質向上や環境に配慮した生産に取り組めるようにすること
  • 前払いの保証:生産者からのリクエスがあれば代金の前払いを保証すること
  • 価格の保証:不安定な市場価格に対して、持続可能な生産と生活に必要な価格を保証すること

フェアトレード認証ラベル

フェアトレード認証ラベル
国際フェアトレード認証ラベル

このフェアトレード認証ラベルは、国際フェアトレード基準を満たして認証を受けた製品のみ表示することができるものです。

フェアトレードの普及状況

フェアトレード認証に参加する生産者組織の数も増加の一途をたどっています。2019年時点で、その数は世界7172カ国1,822組織に達しました。

それら生産者組織のもとでフェアトレード認証に参加する人たちは、小規模生産者と農園で働く労働者を合わせると、約190万人に上ります。

日本におけるフェアトレードの現状と課題

フェアトレードの市場は拡大し、消費量も増えている傾向にあります。ただし、わたしたちが住む日本のフェアトレードの現状には、まだ課題が残されているようです。

認知度がまだ低い

2019年の調査によれば、「フェアトレードという言葉を見聞きしたことがある」と答えた人は、全体の53.8%でした。

50%を超えていて案外多いように思われるかもしれませんが、実は他の先進国に比べたら低い水準になります。

イギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国では、フェアトレードの認証ラベルの認知度は70%〜80%ほどあるようです。

フェアトレード認証マークのついた食品が、多くの人が利用する食料品店であまり扱われてない現状など、認知拡大に向けた課題がいくつか残されています。

他の国に比べて市場規模が小さい

日本はまだ、他の先進国と比べてフェアトレード市場規模が小さいという課題があります。

ただし、2021年のデータでは、フェアトレード商品の市場規模が前年の2020年と比べて120%増加するなど、着実に市場を拡大している傾向にあり、今後の普及に期待が持てます。

札幌のフェアトレードへの取り組み

札幌市は、国内で「フェアトレードタウン」の認証を受けている6都市の内のひとつです。(2023年時点)

フェアトレードタウンとは、街全体で積極的にフェアトレードを広める市区町村が認定を受けることができる国際的な取り組みです。

フェアトレードタウンである札幌市には、フェアトレード北海道という団体による活動があったり、「フェアトレードフェスタ in さっぽろ」などのイベントが開催されているなど、市としてフェアトレードの普及拡大に向けた取り組みを精力的に行なっているのです。

らる畑もフェアトレード商品をご用意しています

では最後に、らる畑で扱っているフェアトレード商品をご紹介します!

「ピープルツリー」のフェアトレードチョコレート

「ピープルツリー」のフェアトレードチョコレート

ピープルツリーでは、「世界フェアトレード機関(WFTO)」の認証を得たチョコレートを製造販売しているブランドです。

WFTOとは、発展途上国の立場の弱い人々んお自立と生活環境の改善を目指す世界中のフェアトレード組織が、1989年に結成したネットワークです。

パッケージのかわいさや、味のバリエーションがたくさんある点も魅力的ですね!

ピープルツリー公式HP

「チョコレートソール」のダークチョコレート

「チョコレートソール」のダークチョコレート

チョコレートソールは、スペインのバルセロナにある老舗のチョコレートメーカーです。

フェアトレードで仕入れたドミニカ産のカカオ豆を使用しています。

農薬や化学肥料に頼らなくてもしっかり育つ生育環境があるので、自然とオーガニック栽培が実現していて、EUのオーガニック認証も得ています。

カカオの比率が高いダークチョコレートなので、ビターな味が好きな方におすすめです!

チョコレートソール公式HP

「パレスチナ・オリーブ」のオリーブオイル

「パレスチナ・オリーブ」のオリーブオイル

パレスチナ・オリーブとは、パレスチナ地区で生産されたオリーブオイルやオリーブ石鹸、刺繍製品などを輸入している会社です。

パレスチナ・オリーブは、パレスチナ地区の女性の雇用の安定にも力を入れていて、実際に150人の女性たちが生産に携わっています。

オリーブは農薬や化学肥料を使わずに育てられていて、世界のあらゆるオリーブオイルの国際コンペで入賞した実績を持つなど、味や風味の面でも高く評価されています。

パレスチナオリーブ公式HP

東ティモール・マウベシ珈琲

東ティモール・マウベシ珈琲

東ティモールのアイナロ県マウベシ郡という自然豊かな標高約1500mの山間地域で育てられた、甘みのあるコーヒーです。

このコーヒーを輸入・販売するのは「ほっかいどうピース・トレード」という団体です。ほっかいどうピース・トレードは、北海道米の販売も行なっていて、北海道米とマウベシ珈琲によって得た利益を、東ティモールに還元しています。

小規模ながらも海外の地域との支え合いを実現している、魅力的なコーヒーです。

ほっかいどうピース・トレード

エヌ・ハーベストの有機スパイス

エヌ・ハーベストの有機スパイス

エヌ・ハーベストは、環境に配慮して作られた食品などの商品を普及させ、エコロジーに対する新たな視点の提案を目的として設立された会社です。

エヌ・ハーベストが製造するスパイスはフェアトレードで取引されていて、ただ適正な価格で原材料を買うだけでなく、現地の昔ながらの製法、ライフスタイルを尊重することを重視している特徴があります。

そして、このスパイスはオーガニック農法で生産されていて、有機JAS認証を取得しています。

エヌ・ハーベスト公式HP

ナイアードのヘナ白髪染め

ナイアードのヘナ白髪染め

ナイアードは、素材が生まれる場所の文化と人々を大切にして、使う人、作る人、環境に負荷をかけない商品開発を行っているメーカーです。

この白髪染めは、ヘナという植物の成分を使用しています。ヘナは、古くから髪や爪を染めるために使われたと言われています。

ナイアードは、ヘナの生産において、インドと日本の自社スタッフが連携して製造に取り組んでいて、生産者の労働環境や適正な収入に貢献しています。

ナイアード公式HP

まとめ

この記事では、日本でも世界でも市場が拡大している「フェアトレード」についてご紹介しました。

フェアトレードの食品を通して生産者のファンになると、より食べることの喜びや楽しさを感じていただけます。

らる畑では、フェアトレード食品だけでなく、生産者のファンになれるような有機野菜やオーガニック食品をたくさん取り扱っています。

ぜひ一度店内をご覧になって、色とりどりな食品を楽しんでください!

参考