
らる畑が出会う生産者さん、メーカーさんは、生産へのこだわりを持ち、手間ひまを惜しまず、伝統的な製法を貫く方が多くいらっしゃいます。
食卓を豊かに彩る美味しさの背景にはさまざまな作り手の思い、ストーリーがあります。
この記事では、全国にあるメーカーさんの中から、2021年に訪問した北海道「工房レティエ」さんについてご紹介していきたいと思います。
工房レティエについて
工房レティエさんは、北海道天塩郡豊富町にある乳製品の工房です。車で5分ほどの場所にある自家牧場で搾られた新鮮な生乳を使い、無添加のチーズとアイスクリームを丁寧に手作りしています。
牛にやさしい、自然とともにある飼育環境
宗谷地方は、夏でも涼しく冷涼な気候です。寒さに強く暑さに弱い牛たちにとって最適な環境が整っています。
牧場ではホルスタインのほか、乳脂肪やタンパク質が豊富なジャージーやブラウンスイスも飼育。牛たちは雪が降るまでは1日23時間以上放牧され、自然のリズムに合わせた健康的な生活を送っています。

こだわりのエサと放牧で、牛本来の力を引き出す
飼料は牧草を中心に、少量の北海道産飼料を使用。配合飼料(輸入穀物)やホルモン剤などは一切使用していません。
放牧により、牛自身が体調に合わせて草を選び、必要な栄養素を摂取。無理をかけず、長く健康に生きる牛の飼育を目指しています。

上質な生乳がつくる、本物のチーズとアイスクリーム
大切に育てた牛たちから搾った生乳は、量は少なくても質が高く、風味豊か。その生乳を使い、添加物に頼らず手作業で仕上げたチーズやアイスクリームは、素材本来の味わいが感じられる本物の味です。
工房レティエを代表する商品|チーズとアイスクリームへのこだわり
工房レティエさんを代表する商品のチーズとアイスクリームには、それぞれ以下のようなこだわりがあります。
本場仕込みの製法でつくる完全無添加のナチュラルチーズ
工房レティエさんのチーズはすべて無添加のナチュラルチーズです。モッツァレラやさけるチーズをはじめ、ハードタイプも含めて6種類以上が揃い、すべて手作業でひとつひとつ丁寧に作られています。
その製法は、前社長(現会長)が地元農家の仲間たちと「チーズネットワーク」を結成し、フランスから専門家を招いて直接学んだ本場仕込み。牧場から工房までは目と鼻の先、生乳は搾りたてを新鮮なうちに手作業で運び、大量生産に頼らず丁寧に作るスタイルを今も守り続けています。
こだわりの4素材から生まれる無添加アイスクリーム
レティエのアイスクリームは、たった4つの原材料で作られた完全無添加。原料は以下のとおりです。
- 自家牧場で搾乳した低温殺菌の牛乳
- チーズ作りの副産物である自家製クリーム、または豊富町産生クリーム
- 平飼い有精卵の卵黄
- 北海道産ビートグラニュー糖
自然のままの味と滑らかさを引き出すため、作業はほぼ手作業。フレーバーもできるだけ北海道産素材を使用し、色味もやさしいナチュラルカラーに仕上がっています。
また、乳化安定剤などの添加物を一切使用していないため、素材本来のピュアな味わいを安心して楽しむことができます。冷凍庫から出した直後は少し固く感じるかもしれませんが、室温に10分ほど置くことで、なめらかでとろけるような食感と、豊かな風味が際立ちます。甘さが控えめで、さらさらとした口当たりは、どこか懐かしさを感じさせるヘルシーなデザートとしておすすめです。
2021年8号らる通信より「牛飼いから加工まで、豊富の工房レティエを訪ねて」
夏のジェラートが大好評のレティエさんに取材に行ってまいりました!
前代表の久世さんとは幌延の核廃棄物処理場誘致問題で企画された 「サマーキャンプ」からのお付き合いです。 今は三女のあもさんが工房を引き継ぎ、朝搾りたての生乳からジェラートとチーズを作っています。
牛を育てるのはあもさんの夫、 真生さん。 豊富町でも少なくなったという昼夜放牧で、ホルスタインの他にミルクの味が濃厚なジャージー牛とブラウンスイス牛も導入しています。
飼料は牧草を主体に甜菜の絞り粕、貝とサンゴの化石ミネラルをプラスし、冬場は道産小麦も加えます。
高カロリーの配合飼料を与えれば牛の体重も乳量も増えるのですが、 生乳の味と安全第一に仔牛から牧草主体でのびのびと育てています。 しかし今年は高温と雨不足で牧草地が干ばつ気味。 農作物にも大きな影響が出そうで心配です。
ジェラートとチーズの技術は久世さんから受け継がれ、一つ一つ丁寧な手作業で作られています。
1996年に「農家チーズネットワーク」 を立ち上げ、 フランスから講師を呼んで豊富、 新得、別海の各地域でチーズ作りを習ったそうです。 北海道ナチュラルチーズ製造の先駆けですね。
実は久世さんは癌で4度も手術をされていて今回はお話を伺えるかわからなかったのですが、とっても元気な様子を見せてくれました。 現在は子どもたちのための保養施設 「自給のむら」を運営しています。
地方収奪を続ける国策に対して、生きるための知恵や体力を得る自活力をつけること。 自給し自足 (欲望をコントロールする) する、そして自立する。
入植当時の原野から4人のお子さんと動物たちと共に一貫してこの理念を貫くお姿が素敵です。 (久世さんの自給自足・波瀾万丈な人生はネットでも読めますよ。)
工房レティエを訪ねてみて下さい。 サロベツ原野の利尻富士、 オロロンラインの見晴らしも最高でした!
らる畑で取り扱っている工房レティエの商品
らる畑では、春から秋にかけて、北海道の豊かな恵みを凝縮した工房レティエさんのジェラートを販売しています。
生乳の美味しさをそのまま味わえるミルクや木いちご、抹茶ラテなどの定番品以外にも季節ごとに旬のフレーバーが加わり、この時期を楽しみにしてくださるお客様も多くいらっしゃいます。
冷凍庫にて販売していますので、ぜひいろいろなフレーバーをお試しくださいね。
シーズンは、豊富の工房レティエさんのcafeもオープン。
オロロンラインのドライブにもおススメですのでぜひお立寄りください。
らる畑では全国各地から厳選した野菜・調味料を取り扱っています!
今回は、いつもお世話になっている工房レティエさんをご紹介させていただきました。
らる畑は、地元北海道、全国各地のオーガニック食品や無添加加工品、有機野菜などを取り扱っている専門店です。
原料や製造工程、作っている方の思いが伝わる美味しさを大切にご紹介しています。
食の生産の背景に興味を持っていただけたら、次にお気に入りを見つけてみてください。より食べることの喜びや楽しさを感じていただけると思います。
季節ごとに旬の顔ぶれも変わりますので、ぜひお気軽にご来店ください。
店内で扱っている食品・食材の一部は通販サイトでも取り扱っていますので、遠方にお住まいの方は通販サイトもぜひご覧になってください。