本日の営業時間
10:00-17:00

作っている人のこと

奈良県吉野の坂利製麺所を紹介|国産素材にこだわる手延べ素麺と葛うどんのものづくり

2025/08/18

らる畑が出会う生産者さん、メーカーさんは、生産へのこだわりを持ち、手間ひまを惜しまず、伝統的な製法を貫く方が多くいらっしゃいます。

食卓を豊かに彩る美味しさの背景にはさまざまな作り手の思い、ストーリーがあります。

この記事では、全国にあるメーカーさんの中から、2019年春に訪問した奈良県吉野の「坂利製麺所」さんについてご紹介していきたいと思います。

坂利製麺所について

坂利製麺所は、国産小麦100%で作った手延そうめん、にゅうめん、葛そうめん、葛うどんなどの製造を通じて、奈良・吉野の地域や文化を発信している製麺メーカーです。

人々がいきいきと働ける場をつくるとともに、日本の農業の発展や、吉野の山々の再生にも取り組み、人と山と水を守ることに貢献できる会社を目指しています。

坂利製麺所が生まれた背景

奈良県東吉野村瀧野は、吉野杉や吉野桧の産地として知られる林業の盛んな地域です。坂利製麺所は吉野川の最上流に位置し、一帯は紀の川の水源地帯という豊かな山の奥にあります。

坂利製麺の現代表の坂口利勝さんは、現在も瀧野で林業を営む山主の家の生まれです。1984年に製麺所を立ち上げたのは3人の子どもを育てる専業主婦の母、良子さんでした。

そうめんが生み出す冬の仕事

代々林業で成り立ってきた吉野村では、冬の仕事がないせいで都会に出る若者が増え過疎化が進んでいました。

当時、規制緩和により製造した麺を「三輪そうめん」と名乗れるエリアが拡大され、周囲の人たちが次々とそうめん作りを習いに行っていました。

「そうめんなら保管がきくので冬につくって夏に売ることが出来る。」そう考えた良子さんは、「三輪そうめん」の手法を学び、一から製麺所を創業しました。

親の立場から「自分の子どもに自信を持って食べさせられる素麺を作る」ことを目標に掲げ、素材を吟味。

坂利製麵所が使うのは北海道産小麦を中心としたオリジナル配合の国産小麦、長崎の海水を使った塩、圧搾絞りのごま油です。

林業とそうめんの町のこれから

地域の働き口としての役割や移住体験ができる宿泊施設の整備、地域の情報発信など、移住者が増えるような取り組みを積極的に進めています。

利勝さんの「そうめんを通じて東吉野を発信し、次世代にこの地域をつなぎたい。」という強い思いが少しずつ、実を結んでいます。

rbt

2019年5号らる通信より

北海道の春を迎える前にうずうずと南の春を感じたくて、行ってきました製造生産者酸巡りの旅!今年は奈良吉野の坂利製麺さんと玉穏堂農園さん。どちらも創業時からの長いお付き合いのメーカーさんです。今月号では坂利製麺さんをご紹介します!

坂利さんまで続く細い山道は濃い緑の杉並木。所々伐採されていて手入れがされています。案内していただいた敷地には水分神社があり和歌山と京都に分かれる水源の滝を見ることが出来ました。

創業者の坂口さんは古くから林業を営んでいましたが、冬季の仕事作りのために手延べ三輪素麺の技術を習得。安心して食べられる国産小麦100%の原料にこだわり、独自に坂利の手延素麺を作り上げてきました。初めは原料の確保が難しく製粉会社に何度も掛け合い、生産現場を見るため北海道にも足を運んだそうです。

手延べの技法は現在では特注の機械に引き継がれていますが、作り方はほぼ変わっていません。生地に一度包丁を入れるだけで後はよりをかけながら細く細く伸ばしていきます。この工程で中に入り込んだグルテンがしっかりとした芯になり表面はツルツルとした麺になります。地元特産の吉野本葛の入った素麺とうどんはさらに上品な喉ごし。温麺としても美味しくいただけます。

お麩は天理市の「千葉製麩商店」さんが手掛けるきめの細かい手焼麩。お屋敷に上げていただき素麺とお麩を使ったお料理のフルコースをごちそうになりました。

大和麩の酢の物、そうめん節のサラダなど、乾物の利用法のバリエーションを教えていただきとても参考になりました。限られた食材を通年便利に食べるための里山ならではの食品保存の知恵は、現代に通じる素晴らしい文化です。仕込みに時間を掛けている「らるごはん」でも利用してみたいと思います。

違いのわかる坂利さんの商品、ぜひご賞味下さいませ!

らる畑で取り扱っている坂利製麺所の商品

地域の自然と人の想いを大切に、丁寧なものづくりを続けている坂利製麺所。ここでは、らる畑で取り扱っている坂利製麺所のこだわりの商品をご紹介します。

吉野葛そうめん

国産小麦粉に本葛を練り込み、伝統的な手延べ製法で仕上げた葛そうめんです。葛を加えることでいっそうなめらかなのどごしに。

強いコシとつるんと軽やかな口当たりが特長で、麺一本一本がほどよく口の中でほどけていきます。暑い季節の食卓に涼を添える、坂利製麺さん自慢の一品です。

国産小麦 坂利の手延素麺

国産小麦粉、海水由来の塩、圧搾製法のごま油を使用し、伝統的な手延べ製法で仕上げたそうめんです。職人が早朝から丹念に練り上げた麺は、しっかりとしたコシとのどごしの良さが特長。

表面には、サラダにも使えるほど品質の高いごま油を使用しており、風味も豊かです。手延べならではの“のびにくさ”も魅力で、温かいにゅうめんでも美味しく召し上がれます。

手延べ本葛うどん

国産小麦粉に本葛を練り込み、丁寧な手延べ製法で仕上げた、なめらかでコシのあるおうどんです。

ツルリとのどを通る食感と、シコシコとした歯ごたえが特長。鍋料理や釜揚げ、ざるうどんなど、さまざまなお料理に合わせて美味しくお召し上がりいただけます。

らる畑では全国各地から厳選した野菜・調味料を取り扱っています!

今回は、いつもお世話になっている坂利製麺所さんをご紹介させていただきました。

らる畑は、地元北海道、全国各地のオーガニック食品や無添加加工品、有機野菜などを取り扱っている専門店です。

原料や製造工程、作っている方の思いが伝わる美味しさを大切にご紹介しています。

食の生産の背景に興味を持っていただけたら、次にお気に入りを見つけてみてください。より食べることの喜びや楽しさを感じていただけると思います。

季節ごとに旬の顔ぶれも変わりますので、ぜひお気軽にご来店ください。

インスタでも最新情報をお伝えしています。ぜひご覧ください。

店内で扱っている食品・食材の一部は通販サイトでも取り扱っていますので、遠方にお住まいの方は通販サイトもぜひご覧になってください。