
らる畑が出会う生産者さんやメーカーさんは、どの方も手間ひまを惜しまず、伝統やこだわりを大切にしています。食卓に届く美味しさの背後には、作り手たちの思いやストーリーが息づいています。
今回は、たくさんある日本の酒蔵の中から福島県喜多方市で230年以上にわたり酒造りを続ける「大和川酒造店」さんをご紹介します。自社田で育てた米と飯豊山の清冽な伏流水を生かした酒造りには、伝統を守りながら挑戦を続ける姿勢が込められています。
日本全国様々な地域でお米から造られる地酒、それぞれの特徴を知ることで一杯の日本酒の美味しさがより味わい深くなるかもしれません。
大和川酒造について

福島県喜多方市に蔵を構える大和川酒造店は、江戸時代中期の寛政二年(1790)に創業し、九代にわたって酒造りを続けてきた老舗の酒蔵です。
仕込みには、飯豊山から湧き出る清らかな伏流水を使用。代々の杜氏による丁寧な造りから、「弥右衛門」をはじめとする銘酒が生み出されています。
また、酒造好適米についても早い段階から自社田や契約農家での栽培に取り組み、無農薬や減農薬・無化学肥料といった方法で良質な米を確保。自ら田んぼやそば畑を耕し、酒造りと「農」の両面から地域と向き合いながら歩んできました。
さらに、その挑戦は国内にとどまりません。台湾や香港、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ブラジルなど海外へも積極的に進出し、日本酒の魅力を世界へ発信。「弥右衛門」「良志久」といった銘柄は、各地で高い評価を得ています。
飯豊蔵|田んぼから酒造りまで一貫管理
大和川酒造店では、平成19年に農業法人「大和川ファーム」を立ち上げ、自社で栽培した米を使った“田んぼからの酒造り”を実践しています。
酒蔵から出る米ぬかや酒粕といった副産物を肥料として活用し、循環型の農業を取り入れているのも特徴です。酒造好適米「夢の香」や「山田錦」を中心に、自社の設備で栽培から収穫、乾燥、精米まで一貫して行い、米の状態を丁寧に管理しています。
伝統的な技術を守りつつ、近代的な設備も取り入れることで、会津の豊かな風土と米の旨みを活かした、やわらかで調和のとれた酒を生み出しています。
大和川ファーム|自社栽培米と会津の風土
大和川酒造店が設立した「大和川ファーム」では、喜多方市内に広がる約40町歩の田畑で米やそばを栽培しています。
そのうち酒米は約15町歩を占め、品種は「夢の香」と「山田錦」に絞っています。かつて西日本でしか栽培されなかった山田錦にも挑戦し、そこで育てた酒米で仕込んだお酒は、数々の鑑評会で金賞を受賞しています。
会津盆地の豊かな自然に育まれた米は、大和川酒造の味を支える大切な存在です。徹底した管理のもと、安心・安全で高品質な酒造りを支えています。
品質・設備|最新技術と徹底した温度管理
平成2年に完成した「飯豊蔵」には、最新の酒造設備が導入されています。ステンレス製の発酵タンクは冷水を使った温度管理が可能で、長期低温発酵を実現。さらに衛生的に高品質な麹をつくる製麹装置も備えています。
仕上げの工程では、最良とされる「中取り」の部分だけを瓶詰めし、火入れ処理のあとはすぐに冷却。酒へのダメージを最小限に抑えています。
瓶詰め後は種類ごとに適した温度帯で冷蔵管理され、品質を守ったまま出荷されます。最新技術と徹底した管理によって、安定した味わいと高品質を両立しています。
会津エナジー株式会社|地域主導のエネルギー革命
2011年、福島第一原発事故という未曾有の災害を経験し、原発の「安全・安心」という前提を見直し、未来への責任を果たすべく行動を起こしました。その想いを共有する有志が集まり、2013年に「会津エナジー株式会社」を設立。
水力・風力・太陽光・地熱・バイオマスなど、自然の力を活かした再生可能エネルギーによる発電所を、会津地域に分散して建設してきました。
この取り組みは、地域で生まれた電力を地域で使い、電気料金を地元に還流させることで、雇用の創出、収入の増加、文化や経済の活性化、そして子どもたちの未来への投資につなげることを目指しています。
2025年8月らる通信より
6月にはじめて福島を訪ね、冬季の坂酒粕でお世話になっている喜多方の大和川酒造さんのミュージアム四方に寄りました。
230年以上の歴史を持つ老舗の酒蔵には、地域に根差しながら新しい挑戦を続けるこだわりが詰まっていました!
大和川酒造のグッとポイント!
ポイント1
2007年 農業法人「大和川ファーム」設立。自社田で農業・化学肥料不使用、特栽の酒米を育てている
ポイント2
米糠や酒粕を堆肥として田んぼに戻すなど、土作りから米作りへと循環させている
ポイント3
2013年 原子力に依存しない会津地域のエネルギーの自立を目指し「会津電力株式会社」を設立
ポイント4
2024年 バイオマスボイラーを設置。酒作りに使うエネルギーの9割以上が再生可能エネルギーに!
らる畑で取り扱っている大和川酒造の紹介
地域の自然と伝統を大切に、米作りから酒造りまで丁寧なものづくりを続ける大和川酒造。ここでは、らる畑で取り扱っている大和川酒造のこだわりの商品をご紹介します。
純米辛口弥右衛門

大和川酒造の代表的な純米酒として、多くのファンに支持されている「弥右衛門」。福島県産の酒米「夢の香」を自社田で栽培し、精米歩合60%まで磨いた純米辛口です。
辛口ながら米の旨みがしっかりと感じられ、食事との相性も抜群。日常の晩酌はもちろん、特別な席でも楽しめる一本です。
※こちらはらる畑店舗のみでの販売です。気になる方はぜひご来店ください。
冬季限定 純米酒の酒粕

国産米で仕込んだ純米酒の酒粕です。酒粕はもろみの中で溶けきれなかった米粒や米麹、酵母、清酒成分を含んでいるため、栄養価の高い食品です。
甘酒、粕煮、粕汁の他、そのまま焼いて醤油や砂糖をつけて食べても美味しく頂けます。
この商品は11月~2月の冬季限定商品になります。
※こちらはらる畑店舗のみでの販売です。気になる方はぜひご来店ください。
らる畑では全国各地から厳選した野菜・調味料を取り扱っています!
今回は、いつもお世話になっている「大和川酒造」さんをご紹介させていただきました。
らる畑は、地元北海道、全国各地のオーガニック食品や無添加加工品、有機野菜などを取り扱っている専門店です。
原料や製造工程、作っている方の思いが伝わる美味しさを大切にご紹介しています。
食の生産の背景に興味を持っていただけたら、次にお気に入りを見つけてみてください。より食べることの喜びや楽しさを感じていただけると思います。
季節ごとに旬の顔ぶれも変わりますので、ぜひお気軽にご来店ください。
インスタでも最新情報をお伝えしています。ぜひご覧ください。
店内で扱っている食品・食材の一部は通販サイトでも取り扱っていますので、遠方にお住まいの方は通販サイトもぜひご覧になってください。
