こんにちは!札幌円山のオーガニックショップ「らる畑」のブログ担当しております松原です。
2023年、日本でも有名な食品添加物「アスパルテーム」の発がん性のリスクがあることが初めて公の場で示されました。アスパルテームは、ダイエット飲料をはじめ、非常に多種多様な加工食品に利用されており、私たちにとって非常に身近な甘味料なだけあって、今回の発表はかなりショッキングなものとなりました。
今回は、アスパルテームという食品添加物の安全性について、最新情報をふまえて解説します。食の安全について関心のある方や、普段自分が食べているものにアスパルテームが含まれているかどうか気になっている方は、ぜひご一読ください。
アスパルテームとは
アスパルテームは日本国内で1983年に厚生省が食品添加物に指定した物質です。アミノ酸であるアスパラギン酸とフェニルアラニンからつくられた甘味料の一種で、少量でも砂糖のような甘さを出すことができます。同じ量の砂糖と比べ甘味度がなんと約200倍。低カロリーやノンシュガーをうたい文句にする様々な加工食品に使用されてきました。「特定保健用食品」(トクホ)の飲み物にも使用されています。
アスパルテームが使われる代表的な食べ物
日本国内では、実に多くの加工食品に使われています。その例は枚挙にいとまがありません。「甘さ控えめ」「砂糖ゼロ」「カロリーゼロ」を強みにしている商品には、ほぼアスパルテームが使われている、と言っても過言ではないでしょう。
- ダイエットコーラ
- 甘さを抑えたコーヒーシュガー
- 歯磨き粉
- チューイングガム
- アイスクリーム
など。
アスパルテームの安全性
以下では、専門誌『食べもの通信』の内容を参考に、アスパルテームの発がん性の評価についてご説明します。
発がん性リスクが2023年に認められた
2023年7月に、WHO(世界保健機関)の傘下である「国際がん研究機関」(IARC)が、アスパルテームを「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」との見解を初めて公式に示しました。IARCは、アスパルテームの発がん性リスクが高い証拠の強さを「2B」に分類。これは、上から数えて3番目にあたる評価となります。
グループ | 評価 | 例 |
---|---|---|
1 | ヒトに対して発がん性がある | コールタール、アスベスト、たばこ、ディーゼルエンジンの排ガス、アルコール飲料など |
2A | おそらくヒトに対して発がん性がある | とても熱い飲み物、夜間勤務など |
2B | ヒトに対して発がん性がある可能性がある | ワラビ、漬物、ガソリン、アスパルテームなど |
3 | ヒトに対する発がん性について分類できない | カフェイン、お茶、コレステロールなど |
以前から各国の専門家も発がん性リスクを指摘していた
実はこれまでにも各国の専門家がアスパルテームの発がん性を検証し、その危険性について警鐘を鳴らしていました。フランス国立保健医学研究所は、アスパルテームの摂取量が多い人は、まったく摂らない人に比べて、乳がんなどの発がんリスクが高いという報告があります。
また他にも、少ないアスパルテームの摂取量でも、腸内細菌フローラに影響を及ぼすというリスクを指摘した論文も存在します。
それではなぜ、アスパルテームの発がん性リスクがほとんど取り沙汰されなかったのでしょうか。その理由のひとつには、食品業界のロビー活動が関係しているとの声があります。
食品添加物について関心を持つことの大切さ
今回は、科学的な調査の結果、発がん性のリスクがある可能性を指摘された添加物「アスパルテーム」について取り上げました。日本国内でも非常に身近なアスパルテーム。そんな甘味料に発がん性リスクが認められたとなると、何を信じていいのかわからなくなる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしその「なぜだろう?」がきっかけとなって、食品添加物に興味を持つことは、とても大切なことなのかもしれません。パッケージの裏を見て、「何が入っているんだろう?」「どんな添加物が使われているのだろう?」と関心を示す。その小さな気づき、疑問が、食の安全について考える小さな一歩なのだと思います。