みなさん「フェアトレードタウン」という言葉をご存じでしょうか?
「フェアトレード」という言葉を知っている人は多いかと思いますが、この言葉はあまり聞き馴染みがない人も多いかと思います。
今回は、この「フェアトレードタウン」について調べた内容を記事にしました。
フェアトレードタウンという各自治体の取り組みを知ると、身の回りにあるフェアトレード品がもっと身近に感じられるかもしれません。。
記事の最後には、らる畑で取り扱っているフェアトレード食品もご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください!
フェアトレードタウンの意味
フェアトレードタウンとは、行政や企業・商店、市民団体などが一体となってフェアトレードを普及させるために、市区町村などの「まちぐるみ」で行う取り組みです。
フェアトレードが街に広がることで、取引において弱い立場に置かれる新興国の生産者や労働者の人たちの自立や環境の保護保全に、より大きな規模で貢献することができます。
フェアトレードの普及に取り組む自治体は、「日本フェアトレード・フォーラム」という団体が定める基準を満たし、認定を受けることで「フェアトレードタウン」と名乗ることができるようになります。
フェアトレードタウンの普及状況
フェアトレードタウンの運動は2000年にイギリスで誕生し、世界各国に大きく広まりました。
2023年11月時点の世界のフェアトレードタウンは、2,200地域を超えています。
日本国内では、2011〜2019年の間に6都市がフェアートレードタウンの認定を受け、その他に、岐阜県垂井町、新潟県新潟市、東京都世田谷区、千葉県千葉市、福岡県北九州市などの自治体が、認定に向けてフェアトレードを普及させる活動を行っています。
<参考>
- 『 Fair Trade Towns International』
- 『日本各地のフェアトレードタウン運動』(一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム)
日本でのフェアトレードタウンの認定基準
日本国内の市区町村がフェアトレードタウンの認定を受けるには、日本フェアトレード・フォーラムが定める以下の6つの基準を満たす必要があります。
①推進組織の設立と支持層の拡大
フェアトレード運動が持続的に発展するために、地域内のあらゆる分野の人々から推進組織が設立されているか。
②運動の展開と市民の啓発
地域の人々からフェアトレードへの関心が集まるよう、さまざまなイベントを行い、テレビなどのメディアに取り上げられているか。
③地域社会への浸透
地域の企業や学校がフェアトレードタウンの運動に賛同し、フェアトレード産品を積極的に利用しているか。
④地域活性化への貢献
地域の生産者や店舗、産業だけでなく、地産地消やまちづくり、環境活動、障がい者支援などのコミュニティ活動と連携して、地域の経済や社会の活性化に貢献しているか。
⑤地域の店等によるフェアトレード産品の幅広い提供
多様なフェアトレード産品が地域の飲食店や小売店で提供されているか。
⑥自治体によるフェアトレードの支持と普及
議会がフェアトレードを支持する旨の決議を行い、市長などの首長が公式にフェアトレードを支持する旨を公式に表明しているか。
認定基準について詳しくはこちらをご覧ください。
フェアトレードタウン基準 (一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム)
日本国内でフェアトレードタウンの認定をうけた都市
2023年度現在では、日本国内で次の6都市がフェアトレードタウンの認定を受けています。
熊本市(熊本県)
熊本市は、日本国内、そしてアジアで初めてフェアトレードタウンに認定された都市です。2011年6月に認定を受けました。
熊本市でフェアトレード商品を取り扱っている店舗は、2023年時点で約100件を超えています。
また、フェアトレードについて聞きたい・知りたいという方に対して、市として出向いて講座を行ったり、コーヒーやチョコレートに関するワークショップなども実施しています。
<参考>
名古屋市(愛知県)
名古屋市は、2015年9月にフェアトレードタウンに認定されました。
「秋のフェアトレードタウンまつり」や「世界フェアトレード・デーなごや」などのイベントを通して、体験的にフェアトレード食品や製品の魅力を広める活動を行なっています。
また、フリーペーパー「惣sou」を毎年発行するなど、情報発信にも力を入れています。
<参考>
逗子市(神奈川県)
逗子市は、2016年7月にフェアトレードタウンに認定されました。
「青い海と みどり豊かな 平和都市」という都市宣言のもとで街づくりを進めています。
大学教授やフェアトレード商品を扱う企業の人による講演会を行うなど、フェアトレードについてより深く学べる活動を行なっています。
<参考>
浜松市(静岡県)
浜松市は、2017年11月にフェアトレードタウンに認定されました。
浜松市にある静岡文化芸術大学は、認定組織の審査を受けて、アジア発の「フェアトレード大学」にも認定されています。
「はままつフェアトレードDAY」「アースディはままつ」などのイベントを開催したり、独自のフェアトレード商品を開発するなど、あらゆる方面での取り組みを行なっています。
<参考>
札幌市(北海道)
札幌市は、2019年6月にフェアトレードタウンに認定されました。
「フェアトレード北海道」という団体と協力し、街の中心部で「フェアトレードフェスタ in さっぽろ」という大規模なイベントを開催して多数のブース出店を集めるなど、都会の特性を活かした活動を行なっています。
<参考>
いなべ市(三重県)
三重県いなべ市は、2019年9月にフェアトレードタウンに認定されました。
フェアトレードタウン認定都市の中では特にローカルとしての魅力を持つ地域で、地域に根ざした飲食店と協力してイベントを開催するなど、地域
<参考>
フェアトレード食品を選んで買うことは楽しい
実はフェアトレードで作られた食品の中には、フェアトレードの認定を受けてない食品もあります。
フェアトレードで食品を買うとき、ただ「フェアトレードマーク」を見るだけでなく、どんな人がこの食品の原料となる作物を栽培しているのか、どんなメーカーがフェアトレードに取り組んでいるのかについて見てみると、もっと食べ物を買うことの楽しみが広がるかもしれません。
みなさん、小説や映画でも「この人の作品だから買ってみよう」と思うのではないでしょうか。食材や食品も同じように、生産者やメーカーのファンになってみると、食べものを選ぶことの大切さや、食事の時間をゆっくり過ごす楽しみ方を知っていただけると思います。
実際にフェアトレード北海道では、国内の小規模農家や福祉作業所との取引にもフェアトレードの原則が適用されるべきものだという考えのもと、地域社会でも公正な関係が実現するような取り組みを行っています。
らる畑もフェアトレード商品をご用意しています
では最後に、らる畑で扱っているフェアトレード商品をご紹介します!
「ピープルツリー」のフェアトレードチョコレート
ピープルツリーでは、「世界フェアトレード機関(WFTO)」の認証を得たチョコレートを製造販売しているブランドです。
WFTOとは、新興国の立場の弱い人々の自立と生活環境の改善を目指す世界中のフェアトレード組織が、1989年に結成したネットワークです。
パッケージのかわいさや、味のバリエーションがたくさんある点も魅力的ですね!
「チョコレートソール」のダークチョコレート
チョコレートソールは、スペインのバルセロナにある老舗のチョコレートメーカーです。
フェアトレードで仕入れたドミニカ産のカカオ豆を使用しています。
農薬や化学肥料に頼らなくてもしっかり育つ生育環境があるので、自然とオーガニック栽培が実現していて、EUのオーガニック認証も得ています。
カカオの比率が高いダークチョコレートなので、ビターな味が好きな方におすすめです!
「パレスチナ・オリーブ」のオリーブオイル
パレスチナ・オリーブとは、パレスチナ地区で生産されたオリーブオイルやオリーブ石鹸、刺繍製品などを輸入している会社です。
パレスチナ・オリーブは、パレスチナ地区の女性の雇用の安定にも力を入れていて、実際に150人の女性たちが生産に携わっています。
オリーブは農薬や化学肥料を使わずに育てられていて、世界のあらゆるオリーブオイルの国際コンペで入賞した実績を持つなど、味や風味の面でも高く評価されています。
東ティモール・マウベシ珈琲
東ティモールのアイナロ県マウベシ郡という自然豊かな標高約1500mの山間地域で育てられた、甘みのあるコーヒーです。
このコーヒーを輸入・販売するのは「ほっかいどうピース・トレード」という団体です。ほっかいどうピース・トレードは、北海道米の販売も行なっていて、北海道米とマウベシ珈琲によって得た利益を、東ティモールに還元しています。
小規模ながらも海外の地域との支え合いを実現している、魅力的なコーヒーです。
エヌ・ハーベストの有機スパイス
エヌ・ハーベストは、環境に配慮して作られた食品などの商品を普及させ、エコロジーに対する新たな視点の提案を目的として設立された会社です。
エヌ・ハーベストが製造するスパイスはフェアトレードで取引されていて、ただ適正な価格で原材料を買うだけでなく、現地の昔ながらの製法、ライフスタイルを尊重することを重視している特徴があります。
そして、このスパイスはオーガニック農法で生産されていて、有機JAS認証を取得しています。
ナイアードのヘナ白髪染め
ナイアードは、素材が生まれる場所の文化と人々を大切にして、使う人、作る人、環境に負荷をかけない商品開発を行っているメーカーです。
この白髪染めは、ヘナという植物の成分を使用しています。ヘナは、古くから髪や爪を染めるために使われたと言われています。
ナイアードは、ヘナの生産において、インドと日本の自社スタッフが連携して製造に取り組んでいて、生産者の労働環境や適正な収入に貢献しています。
まとめ
この記事では、日本でも取り組みが進められている「フェアトレードタウン」についてご紹介しました。
フェアトレードの食品を通して生産者のファンになると、より食べることの喜びや楽しさを感じていただけます。
らる畑では、フェアトレード食品だけでなく、生産者のファンになれるような有機野菜やオーガニック食品をたくさん取り扱っています。
ぜひ一度店内をご覧になって、色とりどりな食品を楽しんでください!